今月の作家インタビュー:トンボ玉作家 寺田 崇子(Terada Takako)

今回は、キュートで個性的な作品にファンの多い、寺田崇子さんです。趣きがありながらファンタジーも感じさせてくれるトンボ玉の数々。
水中花シリーズも森シリーズも、身に着ける楽しさを教えてくれます。ご本人も作品そのまま、愛らしくキュートな女性でした♪

学生時代は、デザインの勉強をされていたんですね。

大学では工業設計科でインダストリアルデザインを学んでいました。
でも、量産型の物作りに違和感を感じつつ在籍していたというか。

では、トンボ玉との出会いは?

学生の頃から、アジアが好きだったんですよ。
遺跡とか、イスラムのタイル、モスク、チベットの神院などの建築物の色や模様など、とても魅力を感じます。
特にインドが好きで、旅費を貯めては旅していました。
そうやって訪れていたある時、お土産屋さんでトンボ玉を見つけて。

お土産屋さんですか!?

はい、インドのお土産屋さんです。
それまでは、まだトンボ玉の事を知らなかったので、そこで初めて出会いました。
人の顔の模様が入り、鮮やかで独特のものでした。

その後、トンボ玉を作るようになったんですか?

在籍していた工業設計科が、自分の求める方向と真逆だったということもあって、色々考えた結果、大学を中退したんです。
量産よりも、一つひとつ丁寧に人の手が作り出すものに携わりたい、と。
ですが、すぐトンボ玉制作に没頭した、という訳でもなく…。

と言うと…。

当時は、日本でもトンボ玉はこんなにメジャーではなくて、技法についても書籍しか調べる術が無かったんですよ。
ガラスの学校もほとんど無かったし。
ある時トンボ玉の本を見つけて、伝統的なトンボ玉の後継者が数人しかいない事を知ったんです。
『ならば私が!』と勇んで奈良にいらっしゃる作家さんに会いに行ったのですが、『材料はハンズに売ってるから』みたいな感じで(笑)。
その時その作家さんの工房で作らせていただいた初作品は、今も大切に持っています。
それからは、普段は他の仕事をしながら、時間を作って家で作ってみる日々。
でも、それが楽しかった!
本を読み解きながら試行錯誤して作って、出来た瞬間は本当に嬉しいものでした。
コツコツと習得していく過程は、とても面白かったです。

独学ですか!素敵です!!
 トンボ玉の魅力はどんなところですか?

球体の中に、小さな世界があるところでしょうか。
ガラスという素材が、その世界の幅をさらに広げていると思います。

それをアクセサリーとして身に着けるのは、とても魅力的ですね。

身に着けるための加工は、ちょっと苦手なんですけどね。
紐の組み合わせや玉の並び、シルバーチャームを合わせたり…難しいです。

そうなんですか!?そのセンスに魅了されているファンの方もいらっしゃると思いますが。

そうですか!?ありがとうございます。
装飾としてのトンボ玉の歴史も好きなんですよ。
でも、最終的には玉だけで完結したものを作りたいですね。

日々、制作の為にやっていることとか、インスピレーションを得るものとかありますか?

基本ナマケモノなので(笑)メモを取ったりはしますが…制作は追い込み型です。
インスピレーションは、日常的に出会うあらゆるところから得ていると思います。
特に気になるのは色、かな。
色と色との組み合わせが重要です。
あとは…作っていると、いつも新しい発見がありますね。

作品にコンセプトはありますか?

作品を見ることで、思わず微笑んでしまうようなものを作りたいですね。
モチーフや色の組み合わせから、幸せを感じてもらいたい。
自分自身で気に入る作品が出来ると、嬉しいですよね。
その気持ちを共有してくれる人がいると、さらに嬉しい!みたいな感じです。

教室で教えてもいらっしゃるんですよね?

福岡県朝倉市にある平塚川添遺跡公園で、市民の方々にさせてもらっています。
早いもので、8年程になります。
最初は難しいと思う事も多かったのですが、今はとても楽しいです。
自分自身の勉強にもなりますし。
続ける事って大事だなぁ、と実感しています。

いつも明るくてポジティブな印象の作品を制作されますが、秘訣があったら教えてください。

一日7〜8時間は睡眠時間を確保するよう努力しています。
それから、歩くこと。
最近、自転車生活から歩き生活に変えて、ガシガシ歩くことにハマってます〜。
万歩計つけて。

以前と比べて、作風というか、モチーフに変化があるような気がしますが?

ここ2、3年のことですが、ハートとかリボンとか、女の子っぽいものが好きになりましたね。
女の子って年ではないですが・・・(苦笑)。
色も変化してきたかも知れません。

わかります!私も使う色が変わったり、可愛いものを作るようになりましたよ〜。
 年齢的なもの…かも知れませんが、人生の醍醐味も感じますよね!
 そんな寺田さんですが、これからの夢は?

このまま続けていきたいです。
私生活も充実させて、制作もしっかりと。
バランス良く、両立していけたらと思っています。

それでは、今日はお忙しい中、どうもありがとうございました!

ありがとうございました〜。

島崎 弥佳子

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